EDIT
青山通りと骨董通りの交差点。その賑わいを背に脇の路地を進むと、雰囲気の良いショップや飲食店が建ち並ぶ。この建物はそんな道を塞ぐように存在していた。
建物1階には、華やかなショップやプレスルームなどが入っている。今回の募集区画は地下1階。ただ、このポテンシャルの高い空間は、地下というマイナスのイメージを十分払拭できると思わせてくれる。地上から地下へ続く階段は、大きな吹き抜けを回るように続いているため、閉鎖感はなくむしろ期待をそそるアプローチになっている。降りてみると、インパクト大の空間がそこに広がっている。天井高、空間の抜け、質感、など申し分ない。このままの状態で、床を整えて、気の利いた照明を設置するだけでも素敵な空間となるだろう。空間への動線は、地上から3カ所。同じような大きな吹き抜けを備えた階段が等間隔に設置されている。ショップや、ギャラリーとしての利用前提でつくられた空間なので、地上からのアプローチが良いことや、空間の魅せる能力が高いのも頷ける。
空間の魅力は高くとも、やはり主役は人だろう。この場をオフィスとし働くとしても、単純にオフィスという呼び方をするには惜しいと感じる。魅せる空間で、魅せる働き方。訪れる方には期待感を抱かせ、帰る方には満足感を与えられるような空間に仕上げてほしい。
EDITOR’S EYE
空間はほぼスケルトン状態だが、エアコンの残置があるのは、かなりラッキー。空間をどう使うかのイメージを膨らませ、水回りの位置を決める。少し変則的なかたちだから、そういったレイアウトの仕方にも利用者の個性が表れることだろう。