EDIT
余計な音がしない静かな住宅街。余計なものに心を乱されることなく働くことのできる場所。
ここは表参道と明治通り、外苑西通り、青山通りに四方をくり抜かれたようなエリアだ。様々なカルチャーが混在しているものの雑多感はなく、むしろ落ち着いている。住宅街だから、と言ってしまえばそれまでなのだが、歩いていて、働いていて、居心地が良いのは間違いないだろう。
道路に面するのは機械式駐車場。駐車場の脇を通り、赤いサッシの印象的な建物には地下へと続く階段がある。階段を下りると目に飛び込んでくるのはトイレ等の水回りを集約させたボックス。そのボックスにははしごが架けられている。天井高5メートルの空間はそれだけでも圧巻だが、それ以上にあまりにも非日常的な空間にわくわくせずにはいられない。
そのわくわくは、船に乗り込んだような感覚。デッキから船内へ、船内はただ広いだけではなく行き来するほどに新しい発見のある空間。
個性的な空間だけに、どのように働きたいかが問われる。ただ仕事をするだけなら、こんな空間は必要ないだろう。ここは働く感性を磨く場所。どんな家具を置くのか、どんなファッションで人と会うのか、どんなアイテムを揃えるのか。働く空間を変えることで自らの働くスタイルを考えてみたい逸品だ。
EDITOR’S EYE
空間の存在感は一般的なデザイナーズ物件とも一線を画し、
異彩を放っている。
ここでは働くという感覚を捨てて、この空間にいることを楽しみたい。