EDIT
原宿駅を利用しながらも落ち着いた環境が手に入る場所、それが千駄ヶ谷。代々木公園の空気感を漂わせながら、緑と建物の高さのバランスが快適に働くモチベーションを保たせてくれる。エリア全体の空気感が働くための雰囲気ではなく、良い意味で生活感のある雰囲気だからだろう。仕事と生活を分けることなく、仕事を普段の生活の中に自然に据えて働きたい方にはお勧めの場所である。
今回ご紹介する物件は、今まであまり見たことがないゆえに印象的だった一件。1階と地下のセット貸しなのだが、地下と言っても写真の階段を数段降りる程度。その狭さとさりげなさで1階と地下の空間の違いをつないでくれている。しかも階段横には作りつけの棚が用意されていて、抜け目のない階段なのである。
1階の床は建物エントランスから続くレンガ仕様。前面はガラス張りなので、デスクを置いて仕事をするスペースというよりは、たくさんある資料、雑誌や本、サンプルなどを置いて “あえて見せる倉庫”として使ってみる。整理整頓が行き届くのはもちろん、ギャラリーのようにガラスの向こうから見る人にも楽しく、スタッフが入っても楽しい空間になる。収納がなくなった分すっきりとした地下の執務スペースはエントランスからの直接の入り口もあるので、わざわざ1階を経由しなくても良い動線も確保できる。
さらにこの物件、よく観察すると1階と地下ともに出入り口が2つある。
だから名付けて、行き止まりのない迷路。
EDITOR’S EYE
床がレンガ仕様という空間もあまり類を見ないが、それに加えて1階と地下をつなぐ階段だったり、各部屋の入り口だったり、ひとつひとつが新しい要素で構成された物件。働く街も去ることながら働く空間も楽しめる逸品だ。