EDIT
ラフォーレ原宿の交差点。
言わずと知れたファッションカルチャーの発信地から一筋裏に入ると、表通りの喧騒がすっと落ち着いていく。街として活気を帯びているのは間違いなく、人通りもあるのだが、何故かギアチェンジするかのような感覚が不思議と惹かれる場所に、この物件はある。
写真の階段は、地下への直接動線となる階段。地下へもぐる圧迫感はなく、むしろちょっと降りてみたくなるようなツートンカラーの仕上がり。入り口となる開口部も大きいので、階段からつながるエントランスも作りがいがありそうだ。
床、壁ともに造作がされているが、現状で3.2メートルの天井高があって、理屈抜きで気持ちいい。やはり空間というのは単なる床の広がりだけではなく、ハコで言う深さも居心地には重要なポイントなのだと改めて感じる。床も天井も抜いてしまえば天井高はもっと高くなり、躯体むき出しのロフト仕様のオフィスなんかがイメージできてしまいそうだ。
2階は手を加えれば化けそうな現状の仕上がり。妙に気になるのは黒い鉄骨の柱と梁だ。天井や柱にそのままの素材感が出ているのでテイストを合わせてみる。青いタイルカーペットを木に変えたり、コンクリートの躯体のまま仕上げたり。
地下、2階いずれも自分の手でひと工夫したくなる物件。
クリエイティブに働くなら、オフィスも自らの手でつくる。パソコン上だけではなくリアルにものをつくる作業から、働き方のスタンスが変わるきっかけが生まれるかもしれない。
EDITOR’S EYE
実際に物件を見に行く際には、「どうやって使おう」ではなく是非「どうやってつくろう」という感覚を持ち込んで物件を見てもらいたい。
ともすると見逃しがちな物件だが、天井高や原宿という立地は、少し新しい働き方を実現するのに大きな可能性を秘めいているのではないだろうか。