南青山オフィス | 新規リノベーション済み空間
EDIT
>>LOCATION
南青山にある骨董通り。多くのショップやカフェが並び、車通りも多いために、青山エリアの中ではかなり賑やかなイメージがある通り。元を辿れば、終戦後に骨董店が集まり始め、都電までも走っていたという歴史の深い通りだが、最近ではいくつか新しいビルも出来て、少しずつ街並みも変化しつつある。しかし、今でも現役バリバリで立ち続ける古い建物も多く、今回の建物はそんなメンバーの1つ。通りのちょうど中腹あたりにあるオールドマンションの一室が、装い新たに生まれ変わった。
>>SPACE
募集は骨董通り側に向いた2Fの一室。2021年秋にリノベされたばかりで、天井は一部スケルトンの白塗装。床はモルタル調の塩ビタイル張りという、極めてシンプルに仕上げたトレンド空間。その奥行きを活かして、7Mほどの造作カウンターがポンと置かれたり、トイレやストレージの扉をブルーのポイントカラーで仕上げるなど、白い空間にうまくアクセントを加えていた。天井高は高いところで2.6Mほどあるが、窓側の一部天井仕上げのある部分は2.1Mと少し低め。しかし、部屋の奥行きやすっきりした間取りのためか、実際にその空間にいると、それほど低いという印象は受けなかった。窓は南に面するが、季節によっては向かいの建物によってお昼の光はガッチリ遮られてしまう。これだけは少し残念な部分ではあったが、朝や昼過ぎになると、ビルの隙間から光も戻ってきて、ある意味時間のメリハリを感じられて面白いかもしれない。20坪ほどのコンパクトな部屋だが、無駄なくスマートに使えそうな、好印象の空間だった。
>>HOW TO USE
シンプルなワンルーム空間を、高さの違う天井によってしれっとエリア分けしている感じがまた面白い。それによって使い分けも明確だ。例えば手前側のスケルトン天井部分は作業エリア。壁側にデスクを並べ、カウンターもうまくサポート役として使えれば、10人ぐらいは無理なく使えるデスクスペースとなるだろう。このエリアで実務を賄いつつ、窓際の天井が下がっている部分にはソファーなど腰の低い家具を置いて、リラックスしたりカジュアルな打ち合わせのスペースとして気持ちよく使いたい。そこまでの動線も入り口から真っ直ぐシンプルに描けるため、誘導もしやすく、無理なく奥まで来客を引き込めるのがまた優秀なところ。コンパクトな空間だが、うまく空間にメリハリが付けられているため、迷うことなくスーッと働くイメージも持ちやすい。ガツガツと働く場と、逆にぐだ〜っと気を抜く場を、うまくオフィス内に備えながら、メリハリを持って働いてみてはどうだろうか。
EDITOR’S EYE
カウンターが途中で切れている理由も、天井のメリハリを出すための一つの仕掛けなのかもしれない。そんなことを今更気付かされてしまったが、より面白みも感じている。このまますぐにでも入って使えるような空間なので、新年から新たな気持ちと場所に切り替えて、新しい年のスタートの場としてもいいタイミングなんじゃないだろうか。