神宮前オフィス・店舗|陽当たり良好円形空間
EDIT
>>LOCATION
場所は神宮前2丁目エリア。落ち着いた住宅街を背負いながらも、拘り強めのアパレルや飲食店などが、敢えて選ぶ様なちょっと通なポジショニングの場所だ。黄色が印象的だったヤマザキショップは無くなってしまったが、このエリアの重鎮的な存在感を放つリカリスイビルのあるT字路の真ん中に、円筒状のコンクリートの建物がやけに誇らしげに構えていた。
>>SPACE
元々はアパレル企業が1棟丸ごと利用していた建物。以前は1Fと2Fが同時に募集されていたが、今回の募集は2F区画のみ。1Fは天井高が3m程ある円形のスケルトン空間で、実は空調もトイレも給湯室も、そして照明までもが備わっているという気前の良さ。さらには、壁も天井もコンクリートの素地が良く、曲線的なデザインがクール過ぎない温かみのある空間という印象に感じた。2Fの室内はというと、パッと見はスタンダードなオフィス仕様に見せかけて、アールがかかった空間に、ランダムに配置された多数の直線的な蛍光灯、小さめのフロアタイルなど、エリア同様に拘りの詰まった個性的な仕上がりを感じさせる仕様になっていた。
そして、どちらのフロアにも共通して言えるのは、圧倒的な陽当たりの良さ。建物の正面に大々的に設けた開口部は、その先にまっすぐ伸びる通りのおかげで遮るものがないため、陽の光が燦々と差し込む気持ちの良い空間だった。
>>HOW TO USE
なかなか珍しい円筒状の空間。正直、ここまで曲線の壁が多い空間だとレイアウトの難易度は高めかもしれない。デスクなどは直線的なデザインが多いため、壁際をうまく活用しようと思うと、家具は特注になり、費用も嵩んでしまいそうだ。しかし、ピタッと収まれば、かなり雰囲気のある空間になりそうなので、設備が最初から設置されていることも踏まえて、気合を入れて内装を仕上げてみてはいかがだろうか。もちろん、敢えて設置されている直線的な蛍光灯などに合わせて、曲線と直線を織り交ぜながらレイアウトしていくことで、作られる空間の幅も広がっていくだろう。
空間としては、四角い箱が整形とされ、使い勝手が良いとされるだろう。しかし、新しいアイディアやクリエイションを生み出すために別の考え方や方法を取り入れて、初めて見えてくるものもある。そんな風に考えさせられる空間で、これまでの固定概念に囚われずに働いてみて頂きたい。
EDITOR’S EYE
実は正面にある大きな開口部は、1Fから2Fまで吹き抜けている。2Fにつながっているわけではないが、現状は1F区画の入居者の広告が一部窓面を覆ってしまっているので、現地でご確認ください。