オフィスの天井は、空のようなものでなくてはならない。長時間のデスクワークを終えて、ふと頭をそらせてストレッチをしたとき、そこが殺風景では味気ない。
といっても、インスピレーションを得るために、わざわざコンクリート張りの天井をまるごとリフォームする必要はない。ジェームズ・タレルの作品のような天窓をつけられればベストだろうが、それはかなり無理な話。
ロンドンに本拠を構える広告代理店Mother Londonのオフィスは、天井に鮮やかな一工夫をすることで、この課題を乗り切った。2004年に建ったこのオフィスは、200人の社員が働ける広さだが、大きなテーブルや、変わった形のデスクのほとんどが、コンクリート仕様。そして、この堅い雰囲気を和らげているのが、なんと蛍光灯だ。50個の蛍光灯のどれもが、Marimekko(マリメッコ)の2.1mサイズのカラフルなランプシェードで飾ってあるのだ。この生地の中には、室内に響く音を吸収する素材も詰めてあって、まさに一石二鳥。
上を見上げるたび、新たな創作意欲がわいてきそうな、とても楽しいオフィスである。あのIKEAの有名なベッドの広告も、こんな雰囲気の職場から生まれ出たと思えば、大いに納得だ。
https://vimeo.com/101288639