眩いばかりのホワイトなフローリングと、布張りのレセプションデスクが迎える、Slattery社のオーストラリアオフィス。
実は、洗練されたその雰囲気の裏には、ディズニーのSF映画「Tron Legacy」の存在があった。
オフィスのプロデュースを担当したElenberg Fraser社は、毎回いろいろなSFをテーマにデザインすることで有名。今回は「Tron」にインスパイアされて設計を進めたそうだ。
この映画の革新性は、なんといっても空間を走る線の動きにあったように思うが、オフィスの床と壁のデザインをよく見ると、確かにそれが生かされていることが分かる。
たとえば、レセプションからミーティングルームまでの壁面には、歪んだ曲線がきざまれている。一方それとは対照的に、フローリングの溝はオフィス内をまっすぐ走り、やがてドアへと垂直に立ち上がるように続いていく。
エントランスの床に設置したライト、モノクロで統一したインテリア。探せばあちこちに「Tron」色が出ている。
仲間とのくつろぎやポップな楽しさを追求するデザインもいいが、時にはこうして、会社が目指すべき革新性を象徴的に打ち出し、その観念をデザインとして主張することも大切だ。
だからこそ、このオフィスには、ジョセフ・コスースのコンセプチュアルアートなどが掲げてあったりするのかもしれない。
近未来的な理念をもったオフィス。その研ぎ澄まされたミニマルなデザインは、人に新たな気品と頭脳をもたらす。未来人として働くのも、そう悪くはなさそうである。
映画「Tron Legacy」
https://www.youtube.com/watch?v=e1dHhktFLPs