EDIT
外苑前といえば、旧ベルコモンズが印象強い南青山三丁目交差点。今ではフランフランや新しく移転したCIBONEなどが、変わらずこのエリアを盛り上げてくれている。ここを起点にキラー通りへ進めば、ライフスタイルショップ、アパレル、家具屋、飲食店などなど。落ち着いた雰囲気を保ちながら、バリエーンション豊かな通りが続いてゆく。そしてワタリウム美術館を過ぎ、左に曲がってほんの少し歩くと、コンクリート打ちっぱなしの清潔感ある建物が佇んでいた。
募集区画は、B1階と1階のメゾネット。玄関は各階にあるので、レイアウトには幅が広がりそうだ。まず1階の玄関を開けると、狭小スペースをワンクッションはさんでから、約12帖のテラス付きの空間があらわれる。テラスには緑が垣間見え、仕事の合間の一服にはもってこいだろう。そのテラスから射し込む光が降りてゆく先、B1階へは螺旋階段をつたって降りてゆく。普通、地下といえば暗かったり、じめじめとしたりするイメージを持たれがちだ。ただしこの物件においては、そんな偏見を裏切ることになるだろう。ここではむしろ、地下の方がより明るく、開放的で、心地いいのだ。天高は3m近くはあるだろうか。地下にもある玄関へのアプローチは、ドライエリアも兼ねており地下とは思えない明るさを確保してくれている。さらに、キッチン横にはウォークインクローゼット付の小部屋。1階玄関先の小スペースといい、こうした部屋の分かれ方は、味方にさえしてしまえばそのポテンシャルを発揮してくれるだろう。
働き方としては、1階を来客向けのミーティングルームにし、B1階はワークスペースとする。1階には、入っていきなり室内が丸見え、、とはならないように小スペースがワンクッション挟まれている。このスペースは客人を迎え入れるための、インスタレーションのような空間にしてはいかがだろう。木の味を活かしたベンチを置き、その上に季節の花を活ける。正面の壁に、写真を一枚だけ飾る、などなど。常に更新されている空間があるというのは、それだけで気分のリフレッシュに一役買うことだろう。そしてメインの地下は、主たるワークスペースとして、スタッフの士気を高めるのにふさわしい空間だ。
常になにか新しいことにチャレンジしている人たちは、批判や偏見を受けることもしばしば。そんな偏見を、むしろ新たなアイディアにしていけるような、そんなモチベーションを高めてゆく拠点として、是非おすすめしたい空間である。
EDITOR’S EYE
元々住居として建てられているので、水回りはかなり充実しているこの物件。B1階にある小部屋は8帖あり、さらにウォークインクローゼットも付いている。もし徹夜になった時には、ここで人が寝られるようにベッドを置いておけば、普段は持て余す水回りも最大限活用できるだろう。