中央区は東日本橋。馬喰横山駅から徒歩1分の距離に、ニューヨークのロフト・アパートメントを彷彿とさせる建物がある。トーキョー・イーストサイドの繊維卸問屋街の一角に佇むRE-KNOW東日本橋だ。

もともとタオルの卸問屋倉庫だったこちらの建物は2004年に施されたリノベーション以後、数多くのクリエイターに愛されてきた。大小様々な空間が展開される建物内には地階に建築設計事務所、1Fにはヨガスタジオが入居しており、上階にはフラワーアーティストやプロダクトデザイナーなど、さながらクリエイターのアジトのような雰囲気さえ感じられる。聞くところによると、かつては著名人が出入りする撮影スタジオも入居していたそうだ。感度の高い入居者を抱える建物は築40年を超えた今もその年齢を感じさせない活気にあふれ、募集が始まるとすぐに申込が集中する人気物件となっている。

室内の基本仕様は竣工当時の躯体を露わにしたスケルトンベースの床と天井に、白く塗られた壁面と柱というシンプルな内装。元倉庫物件だけあって天井高さは3Mを超え、部屋によっては白いモザイクタイルが貼られた水廻りスペースが空間のチャームポイントを担っていた。トーチライトで照らされた趣ある階段室や、その踊り場に設けられたトイレなど、共用部のデザインもなかなか目を見張るものがある。飽きのこないシンプルなデザインは、長く拠点を構える環境にはもってこいだろう。

一般的なオフィス空間では満足できないメンバーが集い、何かが起こりそうな期待を胸に日々アイデアが精錬されるこの空間。その一員として、ここ東日本橋から、新たなクリエイティビティを発信してみてはいかがだろうか。

文化的にも歴史のあるエリアにありながら、なかなか日本では味わえない独特な世界観が息づく建物だ。入居者のフライヤーが置かれたエントランスから味わい深い郵便ポストまで、クリエイターの好奇心を刺激してくれそうな空間と言えるだろう。