EDIT
大きなハコの中にいくつかのハコが収められている。
空間を見渡した時にそう感じた。この部屋はスキップフロア構造になっており、あえて半階ずつずらして室内上下に部屋をつくることにより、天井高が生まれている。このリビングダイニングは天井高3メートルだ。立方体のハコを縦に割るという考え方。平面図だけで見るとどこか味気ないが、実際に空間に足を踏み入れると、様々な高さからの視界が楽しめて空間に動きがあるようにも感じられる。
設計は、ラグジュアリーブランドの店舗デザインも手掛けるデザイナー。よく室内を見渡してみると、床材の色と質感や、壁紙もこだわりが感じられる。そんなステータス感も、空間に新しさを与えてくれているようだ。
場所は表参道の住宅街。すれ違う人はみな、ゆるやかなペースで歩く。話している声すらもほとんど聞こえないような、静かな場所。この静かさは集中力を高めてくれそうだ。だからこそここは、こもってシゴトをしたい人におすすめ。東西に分かれた2部屋は、一方は緑と高層ビルが見え、一方は三角屋根のお宅と、どちらも景色が抜けて居心地は良い。こういった景色も住宅街ならでは。
ここなら空間、景色、街…シゴトをしながら楽しめることは無限大にありそうだ。
EDITOR’S EYE
あくまでも住居兼事務所のSOHO使用が条件なので、生活にシゴトを溶け込ませたい人に使ってもらいたい物件。上下に分けられている空間で意図的にメリハリをつくれば、より効果的に効きそうだ。