EDIT
取引先のある渋谷からオフィスに戻る。
渋谷から田園都市線で約10分、周囲の忙しさに流されることなく働くには丁度いい距離感だ。それが住宅地で知られる、ここ用賀。
移動で乗る電車に揺られると、頭の隅からアイデアが転がり込んでくる。都心の忙しさと住宅地の時間の流れはやはり違う。その行き来で得られる少しの時間は、思考を広げる貴重な時間になる。
用賀駅に着く。
駅直結の大型オフィスビルには大企業の営業所もいくつかあり、住宅地として認知されている街だが、ビジネスポテンシャルのある場所であることを再認識させられる。追い立てるように働かず、住と働のバランスのとれた街に拠点を持つのもやっぱり悪くない。
駅からオフィスへ。
市松模様に並んだ窓、いびつな岩がごろんと横たわっているような建物。ここの1階が我がオフィスだ。建物の設計はアトリエ・ワンの塚本由晴氏と貝島桃代氏によるもの。奇抜な外観が気に入って決めた。室内はほとんど手を入れていない。アトリエを仕事場にするイメージでつくったオフィス。真ん中に置かれた大きなテーブルに自由に座り、おもむろに仕事を始める。こんな自由なペースがつくれるのも、オフィスをこの場所に選んだからだろう。
EDITOR’S EYE
コンクリート打ちっ放しで引き渡される内装。外から中が見えてしまう窓を主役に、お店と勘違いしてお客様が入ってきてしまうほどオフィス感を削いだ内装にしたい。働くことを迫らない空間と街の雰囲気に後押しされながらマイペースに働くことを楽しもう。