EDIT
今でこそベイサイドの高層マンションが定着しつつある芝浦地区。だがかつてここは運河の多い埋め立て地としてオフィスや工場、倉庫が立ち並ぶ街だった。ファミリータイプのタワーマンションがあちこちで建築された近年、芝浦は都心型住宅街へと変貌を遂げている。2006年そんな新興住宅街にあって、運河沿いに建つ当時築20年のオフィスビルが賃貸住宅・SOHOへとコンバージョンされた。
新しいワークライフスタイルを発信しているともいうべきこの物件の特徴。なんと、自分の生活の隣にバイクや車を置けてしまうのだ。しかも60戸全てに、というから驚き。それはまるで「気ままにツーリングに出掛けた先、ひと休みしようと見つけたゲストハウスは、ライダーの経営するライダーの為の宿。……」こんな始まり方で短編小説が書けそうなコンセプト物件。価値観の同じ人が自然と集まり、それらを共有できる場なのだ。
もちろん、バイクを置かなくても楽しめるはず。3メートル超の天井は目に見えないゆとりを持たせてくれる。芝浦運河に面した大きな窓から臨むは、規則正しく往来するモノレールとオフィスや倉庫たち。普段めったに目にすることのない光景を見ると、新しいアイデアがふっと浮かんでくるような目の覚める思いに満たされるのは、私だけだろうか。きっと夜景も綺麗に違いないから、一日中いても飽きない空間だ。
こちらは空間を完全に分けられるクロスメゾネット。上階と下階でワークスペースとリフレッシュスペースをつくることができる。白い空間に映える上下階をつなぐ真っ黒ならせん階段も、オブジェのようでお気に入りのポイントだ。
EDITOR’S EYE
一度に2部屋手に入れたような感覚。
上階が思い切り遊ぶ空間で、お客様が呼べる空間として清楚に…
仕事における様々なシーンを想定しながら空間づくりが楽しめそう。