EDIT
青山通りとスタジアム通りが分岐する外苑前交差点。渋谷方向から長くまっすぐに続いた青山通りが、緩やかなカーブを描きはじめたところの交差点が正にそこ。表参道の一つ先、青山一丁目の一つ手前という事もあり、街も程良いおしゃれさを纏いつつも、働く街としての機能性はぐっとあがるエリアでもある。
その交差点から、スタジアム通りをほんの少しのぼったところに、スリムな面持ちのこの春完成する新築のビルをみつけた。
スリムといいつつも、建物側面は空地になっている為、側面がかなりの存在感を発する建物。既に多くのフロアの入居が決まっており、残すところ最上階の1区画のみとなっているようだ。下層から中層階まではファッション性も高いアウトドアブランドの入居も決まっている事から、この先このビルはそのブランドを目印に語られる事となるだろう。そんな事を感じながら降り立った空間は、その最上階というロケーションを十分に活かすプランに仕上げられていた。
この空間から得られる眺望を、この空間のものに感じさせるような開口部の取り方。大胆でありながらも、その先にある景色に気を取られ、その策士的な狙いすら感じさせず、ただ景色に感心させられる。細長い空間である為、レイアウトの自由度はある程度制限されてしまうが、それに余る魅力を感じることが出来る。更にこの区画はメゾネットになっており、区画内の階段を上ると、最上階ならではの特典、ルーフバルコニーが備わっていた。広さは下の階の約1/3程の面積、そこでは、ガラス越しだけではない開放感と眺望を感じさせてくれる。空間と窓越しの眺望とそのままの空。そんな贅沢な3つの絶妙なバランスでこの区画は成り立っているようにも思え、この空間に最初に入る入居者を只々うらやましく思う。最寄りは外苑前駅徒歩数分、もちろん表参道への徒歩も可能で、スタジアム通りに誕生した新築ビルの最上階。入居した方は、その肩書きを上回れるであろうこの空間のプランとその眺望を、ぜひとも自慢していただきたいものだ。周辺にもそれなりに高い建物があるため、圧倒的な抜け感、、とまではいかないが、この空間を跨がって続く空をここまで感じられる物件というのは珍しいのではないだろうか。
大きく開いた開口部はほぼ北向きのため、折角の眺望を、光が強すぎるとブラインドで塞いでしまう事もないだろう。そう考えると、働く時間この眺望を独占できる、この区画の眺望確認強制力は中々のもの。空間の中でも良いポジションを陣取って、日々仕事と空模様のチェックに勤しんでいただきたい。
EDITOR’S EYE
建物少し脇には外苑前駅の新設出口ができるという噂も耳にした。そうなると、出口からほんの1分足らずで建物に入れる、、という日がくるかも。雨の日はぜひともその新ルートを活用していただきたいが、折角この素敵なロケーションのオフィスに働くのであれば、通勤の歩く時間も楽しんでいただくことをお勧めしたい。