目黒オフィス | 工場跡地空間
EDIT
>>LOCATION
目黒駅から権之助坂を下り、目黒川手前の道を右へ進む。飲食店が連なる賑やかな目黒通りとは対照的で、車通りも少なく、低層のマンションが建ち並ぶこの通り。そんな道をしばらく進むと、左手にトンガリ帽をかぶったような細長のマンションが現れる。周囲に主張せず、ひっそりと佇むこのマンション。しかしその外観からは想像も出来ないようなストイックな空間が、その地下に眠っていた。このギャップにはゾクゾクした。
>>SPACE
建物脇の階段を下りると、そこには広々とした地下空間が現れた。目黒という立地柄、オシャレな地下空間を想像するかもしれないが、この空間はひと味違う。どちらかと言うと、古くから工場などが軒を連ねる下町の哀愁を感じる。それもそのはず。実はタイトルに「Factory」と付けた通り、元々は工場として使用されていた物件なのだ。そう言われると、どんどん工場に見えてこないだろうか。メインの作業場は、天高のある大きな吹き抜け空間に。様々な機材が置かれていただろう、床の年期が入った質感が面白い。中2階の空間は、オフィススペースや更衣室に使われていただろう。作業場を見下ろす窓からは、日々の作業を眺めていた親方の顔が目に浮かぶ。地下なので明るいとは言えないが、逆にその暗さが、トップライトから射し込む柔らかな光や、うっすら光るガラス面をより引き立たせている。4Mほどある天井からダイレクトにペンライトなどを下ろせば、オシャレ空間の出来上がりだ。先にも述べた通り、元々工場として作られているため、オフィスビルのような快適な空間とは言いにくいが、それを踏まえた上でも十分な魅力がこの空間にはあることは間違いない。
>>HOW TO USE
渋谷圏で、作業場+オフィスのような特殊な使い方が出来る物件はなかなか珍しい。例えば家具の製作や、大きな模型を作るような、クリエイティブな業種にはピッタリな空間だ。他の物件では叶えられない欲求を、この空間は満たしてくれるだろう。これからも物作りの意思を引き継ぎ、この空間で新たな物をどんどん創造してほしい。
EDITOR’S EYE
静かな街並の地下に元工場が潜んでいるというだけでも、遊び心がくすぐられる。もちろん一通り水回りや設備などもしっかりあるので、そこは安心して欲しい。徹底的に作り込むか、それともこの無骨さを上手く利用して地下の秘密基地を作ってみるかは、借りる方次第。この空間からどのようなポテンシャルを引き出すかというのを、まずは楽しんでいただきたい。