EDIT
最寄りの代々木公園駅を背に、山手通りを新宿方面に進む。道中右手に見えてくる代々木八幡宮。深い森に入っていくような魅力的な階段には心を奪われる。たまにはここでランチもいいな。そんな事を考えながらしばらく歩くと、レンガの建物が見えてくる。堂々と勇ましく建ち誇る建物。この空間はそんなビルの1階にあった。
広々としたスケルトン空間。コンクリートブロックやタイル、レンガ、緑に塗装された柱など、様々な素材やテクスチャーが混じり合うなかなか荒々しい空間だ。車道に面しているため、車の音などが少し気になるが、前面の窓から入る光はとても明るくて気持ちがいい。独特の出っ張ったアール空間は、光に包まれているようで、どこか心が落ち着く場所。行き交う人々の視線が気になる場合は、乳白色のフィルムなどを張って対策をしたら良いだろう。L型のプランなため、様々な用途に柔軟に対応出来そうだ。トイレなど水回りの工事を含め、一から理想の空間を作ってみてはどうか。
この空間を普通のオフィス仕様にしたらもったいないと思わないだろうか。荒々しい壁は、一方でとても魅力のある素材だとも言える。特にボードなどを剥がした事で出てきた独特の模様は、隠してしまうのはもったいないと感じた。この壁を生かした内装を考えてみたらどうだろう。例えば壁やコンクリートの床は可能な限り既存のまま残し、天井や梁だけ白く塗装する。それだけでグッと空間が引き締まり、荒々しい壁はとてもオシャレな壁に変貌する。水回りは家型のホワイトキューブなどで囲ったら良いだろう。荒々しい壁と、ポツンと置かれた白い箱のコントラストは面白い。極め付きは、それらの工事をDIYしてみてはどうだろう。もちろん水回りの工事などは業者に頼むとしても、可能な部分は出来るだけみんなで作る。コストも抑えられ、何より空間に愛着が湧く。1つの重要なプロジェクトとして、自分たちが働くオフィスを作ってみてはどうか。
EDITOR’S EYE
レトロな家具などをサラッと置いたら、より素敵なオフィスになるだろう。カフェと間違えて、お客さんが入ってくるかもしれない。現在、地下1階も募集中だが、採光が入らないので、天高を生かしたスタジオ兼事務所などに適しているかもしれない。