EDIT
オフィス街でありながら、小洒落たレストランや雑貨屋など、大人なイメージのある恵比寿。住みたい町ランキングでも常に上位を取るなど、人気の高い街だ。そんな恵比寿で見つけた今回の物件。代官山を背に、駒沢通りと交差する道を進むと、なかなか年期の入ったビルが見えてくる。外観からは想像できないが、実はその中に素敵な空間が眠っている。
レトロな海外の倉庫を思わせるような、フラットに広がるワンルームオフィス。自然と風化した床の無垢材は、なかなか意図しては作れない深い風味を感じる。その魅力をより引き立たせる白い空間。その中でもアーチ橋のように繋がれた柱と梁は、空間に良いアクセントを与えている。明るい内装のせいか、ここでは射し込む光もどこか柔らかい。まるで北欧の建築を連想させるような空間だが、外を見れば恵比寿。このギャップがまた面白い。
固定のデスクを持たず、みんなが気分やプロジェクトごとにノマドスタイルで働けるオフィスにしたらどうだろう。例えば形も素材も違う、大小様々なテーブルをランダムに配置する。お気に入りのインテリアショップで揃えても良いが、いくつかは作ってみてもいいだろう。市販の四角いテーブルの中に、へんてこな形をしたテーブルがポツポツと配置されていたら面白くないだろうか。椅子は少し色味のあるものが良いだろう。様々な色の椅子が、空間をポップにし、仕事の気分を上げてくれる。特にこの部屋は、明るい色の家具がよく映える空間だと思う。窓際にはインナーテラスをさずけても良いだろう。多くの植物やソファーなどを置き、天気のいい日にはゴロゴロと新しいアイディアを考える。かつてのスタイルにとらわれない、みんながノビノビして働けるオフィス。そんな新たなワークスケープを、ここから発信してほしい。
EDITOR’S EYE
もちろんいい面だけではない。共有部は手を加えられていないため古く、トイレは少し臭い対策が必要だろう。しかし立地や金額、そしてこのポテンシャルの空間など、総合的に見てもとても魅力のある物件と言える。