EDIT
北参道の駅に降り立ち、明治通りを原宿方面へ向かう。渋谷と新宿の中間地点にあるこのエリアは、JR、地下鉄、そして車であっても双方に10分足らずでアクセスできる。また住宅地という側面もあり、元々は居住用のマンションを、オフィスとして利用している物件がよく見られる。そのようなオフィスにはデザインやアパレルを中心とした企業が多く入居しており、たくさんの段ボールを運ぶ業者や、プレスルームへ行った帰りと思われる、大きな荷物を抱えた人をよく見かける。そんなエリアにこの建物を見つけた。
緑にくるまれたこの建物は、外から見るとひっそりとした森のようにも思えた。しかし上を見上げると、緑が途切れて光が集まっている部分がある。そこが今回ご紹介する最上階の区画である。区画に入ると、個室2部屋に加え、メインの約25帖のLDKがある。全室南向きで、床には葉の影が落ちるほど明るく光が差し込んでいる。窓越しに緑がちらちらと見えるのも長閑でいい雰囲気だ。やや住まいの雰囲気が拭えないのもあるかもしれないが、キッチン周りを大きめの本棚などで隠し、生活感を消せば、よりオフィスらしい空間になるだろう。濃いブラウンの床と白い壁の整った空間は、かっこつけすぎないナチュラルなインテリアに仕上げ、大切な仲間が毎日楽しく集まれるようなオフィスにして頂ければと思う。森林の上の方というのは林冠と呼ばれ、太陽の光を直接受け光合成も盛んに行われる。そのため、地上からは見えにくいが、特別な生態系があるという。何となくこの物件からはその地上から離れた林冠で、小動物や鳥が生活する、楽しい世界を想像してしまった。訪れた人だけがわかる、地上からは想像できないオリジナルな空間が作れたら素敵ではないだろうか。
EDITOR’S EYE
全室とつながるルーフバルコニーからは、外苑の花火がよく見えるそうだ。また入居者のために屋上も解放されている。花火大会のときは、年に一度の特権として、ここで和気あいあい花火を楽しんでみてはいかがだろうか。