EDIT
表参道骨董通り。青山通りを背に高樹町交差点方向に進み、ほんの数分。コンビニや、カフェが隣接する信号の角を曲がり少しだけ中に入る。築間もないガラス張りのおしゃれな建物の地下に、この空間はある。
道路からのアプローチは、独立した専用階段。他のフロアのアプローチとは完全に独立しているため、少々わかりづらい。でも、真新しいコンクリートに囲まれた天井の高い階段は、これから足を踏み入れる空間に期待感を持たせてくれるので、多少のわかりづらさも逆にアリと思わせてくれる。辿り着いた空間は、飲食店の居抜き。もちろん飲食店との利用も可で、オーナーは次の入居者が飲食業を行うことも見越して、厨房機器を除く内装造作を残して募集している。
賑わい、家具がなくなったこの空間は、飲食店としての名残りは薄まっているが、細部まで作り込まれた完成度の高い空間で好感が持てる。ヘリンボーンの床、壁面から天井までアール状に仕上げられたタイルの壁面、備え付けのベンチシートに、すぐにでも利用できそうなバーカウンター。地下の空間のため、開口部はなく自然光の確保は難しいが、それくらいの代償を払ってもなお、オフィスとして魅力的に感じる方は多いのではないだろうか。エントランスは一段高くなっており、空間全体が見渡せる。元厨房の区画は、エントランスからのアプローチが容易なため、改修して打ち合せスペースへ変更するのもいいだろう。
元々は隠れ家的な高級レストランであった為、そのまま隠れ家的な要素を引き継いで、ワクワクするようなオフィスに仕上げていただきたい。
ここは、遊ぶ様に働く大人たちにぴったりな物件だ。
EDITOR’S EYE
オフィスとしての利用を考えた場合、元厨房のところと、照明は改修が必要だろう。現在は雰囲気重視であったため、薄暗い照明となっているが、照明を追加したりして、十分な照度を確保すれば、問題はないだろう。
この手の店舗は空間を作るのにものすごく費用をかけるので、これを使わない手はない。ありがたく恩恵を受けつつ、うまく使い方をアレンジして、あなたたちらしい働き方をあみ出してほしい。