EDIT
南青山の住宅地。大通りとはうってかわり昔ながらの街並が残っているエリアもある。この建物がある場所はそんなエリア。物件へのアプローチも面白く、階段の途中から逸れるような入口から更に長い敷地を通りエントランスに辿り着く。アプローチからも受ける期待感もこの建物の魅力のひとつだ。
室内は和と洋の混合。1階は畳の区画が三室。そこには茶室対応も可能な炉や水屋の設備も備わっている。14畳程度の縁側に面した空間。炉の備わっている8畳に、ベーシックな6畳が、部屋続きに繋がっている。大きく開放して1つの空間として利用することも可能だ。台所と居間に当たるところも余裕の広さ、そのまま活用してもいいが、こちらの空間もつなげてしまってもいいだろう。2階は洋間が4室。広さもカタチもバラバラで、使い方に工夫は必須である。
つらつらと説明する部屋の構成自体は、語る範囲では面白味は薄いかもしれないが、空間のそれぞれに独特な雰囲気があり、手を加えたことを考え始めると期待感が膨らみ続ける。更に、一番の魅力である庭に面する約14畳の和室はいいインパクトを持っていて、庭に続く木製の折れ戸のサッシを開けた時の、庭との一体感はたまらない。青山には珍しい30坪程もある庭は、周りに囲まれて視線を感じないのでプライベートガーデンといっても過言ではないだろう。
これからの半分は働く人生、それなら人も羨む程の目一杯楽しめるオフィスを狙ってみてはいかがだろうか。この建物にはそんなことを思わせる可能性を感じることができた。
EDITOR’S EYE
お世辞でも現状は綺麗ではないが、そこは改修前提の建物。条件次第では、改修には一部オーナーの援助もいただけるという。そんな要素もふまえて、この建物をオフィスとして利用する可能性を考えてみてほしい。因に、諸条件も応相談です。