EDIT
神宮前の一角。周りには著名人の自宅もあったり、新築のデザイナーズマンションが建っていたりと、神宮前らしい落ち着いた住宅地の雰囲気がある。
この物件は、そんな雰囲気の中、なぜかしっくりとそこにある建物。それら華やかな建物が立ち並ぶ、ずっとずっと前からここにあるのだから、街に一体化しているようなものだろうか。
1964年の建物。これだけ築年数が経っていると、アタリとハズレの物件は一目瞭然だ。もちろんこの物件は個人的にアタリだと思う。築年数を反映して賃料も優しく設定されているので、掘り出し物を見つけたような喜びを感じざるを得ない。公園の隣、4階部分のこの区画は、開口部も多く取られており、抜け感も十分に感じることができる。
外観、エントランス、エレベーター、階段室。全てがレトロ。居室の玄関扉も、水回りも、その雰囲気を生かして、ちょっとしたセルフリノベーションをしてみたい。元々が住居であったため、住居としての機能も備えつつも、事務所対応可能とまだまだ現役である。
共用部分は屋上の利用が許可されている。高い建物が少ないこのエリアでの屋上開放はありがたい限り。建物の東側には、都立青山病院の跡地が広がり、これからの街の変化も楽しめるだろう。
これまでのこの建物の歴史と、これからのこの街の変化を、じっくり腰を据えて感じながら働いてみてはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
この物件はエレベーターがかわいい。一応5人定員ではあったが、3人くらいがちょうど良い気がする。階段室のサイン、エントランスのステップ。共用部分のしっとりとした感じが、時代を感じさせてくれるだろう。
もしかしたらピカピカのデザインオフィスより、愛情を注げるオフィスになるかもしれない。