EDIT
ビル最上階、15階からの眺め。オフィス空間としてはスタンダードではあるものの、66㎡のルーフバルコニーから眺める表参道界隈の風景は、間違いなく働き方に良い影響を与えてくれそうである。
ルーフバルコニーに降り立ったとき、脳ミソがちくちくと刺激される感覚に襲われた。
地上に吹くものとは少し違った風は、その肌感覚とともに普段聞こえないはずの風の音すら聞こえるようで、普段自分の足で歩いている街が眼下にあるという感覚もまた、固まった脳ミソを溶かしてくれているようだった。
だからこそ、このスペースをタバコのために出る場所、気分転換のために行く場所、といったリフレッシュルームにするにはあまりにも短絡的すぎるような気がした。名付けるなら“精神と時の部屋”。短時間でパワーアップできる、つまり目的をもって集中しにいく場所だ。外というだけだが、天候や時間によって感じられるものが違って、そこまで手を掛けずとも価値ある空間になるはずだ。
室内のメゾネット空間だって、ともすれば非効率な空間かもしれないが、働く場所は効率性を求めるだけではないと思う。思考や仕事に変化を求めるなら、こんな空間にトライしてみても良いかもしれない。
EDITOR’S EYE
デザイン性の乏しいスタンダードな物件でも、最上階、メゾネット、ルーフバルコニー…特異なものが集まったら、あとは想像力をミックスして新しい働き方ができるのではないかと気付く。個人的なお勧めはルーフバルコニー。街に出る感覚とは一味違う空気を、働くことに活かしたい。