神宮前オフィス｜竹下通り至近 天井高空間

>>LOCATION
若者のイメージであった竹下通りも今は外国人観光客のメッカ。昼間の人の賑わいは言わずもがなで、少々苦手意識を感じてしまう方も少なくないかもしれない。今回の建物はそんな竹下通りのすぐ裏手にありながらも、通り側からの入り口はなく、驚くほど人通りの少ない裏通りからのアプローチ。気を抜くと前を通り過ぎてしまいそうな路地の先に、隠れる様に潜んでいた。

>>SPACE
小道を進んだ先に現れる建物はタイルの色合いとコンクリート、そしてシンボルツリーの緑が混ざり合う健やかで落ち着いた印象。正面へ来るまで建物が見えないこともあってか、アプローチ部分から感じる不安と期待が入り混じるような気持ちで階段を登り室内へ。まとまった人数でもしっかりとスペースを確保できる空間は、スケルトン仕様で天井高も確保され、窓からは緑が覗く予想以上の印象の良さ。水周りや空調もあり、原状回復前でやや汚れも気になる現状ではあるが、手を加える上での負担の少なさも魅力的だろう。竹下通りからすぐの立地にも関わらず、その賑やかさとは無縁の静けさも加味すると、利便性・環境・室内空間の全てにおいて、ベースとなるポテンシャルの高さを感じさせてくれた。

>>HOW TO USE
敢えて目立つのを避けるようなシャイなこの建物。その個性を尊重し、派手に着飾るのではなく、より丁寧に内部の空間を作り込んでみて欲しい。素地の良い空間であるので、床や家具で無機質な空間に色付けし、大きなガラス面を生かす様にオープンに。とことんモダンにというよりは、緑や木の素材感をうまく取り入れ、どことなくほっとするような暖かみのある設えが似合うだろう。
原宿らしいエリアに位置しながら、どこか原宿らしくない控えめさには好感が持てる。そのキャラクターに少しでも愛らしさを感じた方は、まずは路地裏に足を踏み入れてみて欲しい。ひょっこりと顔をのぞかせるこの建物は、きっとはにかみながらも歓迎してくれるはずだ。

原状回復により天井と壁は白く塗装され、前テナントの造作した個室3つも解体予定。よりクリーンで開放的な空間へと生まれ変わるとのことだが、早いタイミングであればまだアレンジも可能。使い勝手も含めて、まずは現状を確認しご検討頂けると良いだろう。