西麻布オフィス | 居抜きセミスケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
西麻布の交差点から六本木方面にワンブロック入った静かな立地に、気になる建物を見つけた。細い路地沿いにある、どこか倉庫のような建物。なかなかの閉鎖的なその顔立ちで、一見さんはなかなか踏み込むのに躊躇してしまいそうな見た目だが、一方でそんな閉鎖感がまた気になってしまうそんな建物でもある。
>>SPACE
正面入り口を入り、雑居感のある階段を少し不安げに上って行った先。これまた閉鎖感ある2Fの扉を開けると、良くも悪くもそこには面白そうな空間が現れた。全体で170m2ほどの広めのワンルームだが、明らかに障害となっている複数の柱のようなもの。なかなかのレイアウト泣かせな作りだが、見方を変えれば、それも悪い面だけではない。室内を歩くと分かるが、立つ場所によっては眺めが急に抜けたり、逆に閉じたり、見る方向によって空間の見え方が異なる面白みある体験もさせてくれる。少しレベルは高くなるが、この見え方をうまくレイアウトに取り入れても面白いのかもしれない。よくよく見れば、天井や壁は白塗装のスケルトン仕上げで素地も悪くなさそうだ。色気のないタイルカーペットや、少ない窓面などもったいない面もあるものの、それほど大きく手を加えずとも、空間はより良くなりそうにも思えた。
>>HOW TO USE
床を変え、ライティング調整といい家具を並べれば、まずはそれなりのベースの空間は完成するだろう。後はハンモックを吊るすなり、植物を並べるなり、北欧っぽくポップなカラーで彩るなり。会社のカラーを前面に打ち出し、全力で室内を楽しんでみると良いだろう。建物は閉鎖的で決して綺麗でもない。窓も少なく、重厚な扉を開けなくては室内を望めず、その室内も柱でさらに開放的とも言えない空間。さらに駅からもわりと離れており、全体的に社交的とは言えないハードルの高い物件だ。だがあえてその特徴に美学を持たせ、この地でカッコいい潜み方を極めてみてはどうだろう。大人の隠れ家じゃないが、夜な夜なクリエイティブな人たちがコソコソと集まり、次に世の中をあっと言わせるような新しいアイディアを生み出すような場となればいいと思う。
EDITOR’S EYE
比較的賃料もリーズナブルな設定なので、その分空間作りに力や資金を注げそうだ。なかなか絶妙な物件という印象もあり、空間の使い方次第では、センスを輝かせる反面、一歩間違えればすごくダサくも見えてしまう危険性もある。なのでブランディングの手腕が試されるが、そのチャレンジがまた面白そうだ。