EDIT
西麻布の交差点に降り立つ。西麻布の交差点を背に外苑西通りを表参道方面に進むと、カーブ沿いに半円の窓に特徴のあるこの建物を見つけた。正確にいうとこの物件の最寄り駅は乃木坂や表参道だろうか、外苑前からもストレスなく歩ける歩道が続いている。どこからアプローチしても、西麻布の少し手前、昼間はその姿を隠しているハイクラスの飲食店に混ざってこちらの建物はあった。
この物件までどのようにたどり着くかは、『駅がないのに流行り続ける「西麻布式」の秘密』という本があるように、ルート次第で色々な楽しみ方がある。表参道、六本木、乃木坂、広尾の駅から歩く、そんな日々の行動が楽しめる立地と考えると、この物件の少し躱した感じもステキに思える。
西麻布は、昼と夜で街の見え方が変わるような気がする。昼には全く目立たない建物が、なぜか夜には雰囲気よく見えた経験はないだろうか。しかしこのビルは、デイタイムのコーヒーも、仕事後のビールも、どちらも気分良く飲めそうな素敵なファザードをしている。今回は1階2階のメゾネットと、4階のSOHOを募集している。1、2階は現在スケルトンの状態になっているが、階段や一部の照明は残っている。内外装とも、黒がアクセントカラーになっており、それがスケルトンの空間の中でも映えて見えた。飲食店として使われていたこともあるというこの空間、天井についた黒色のファンが回り、その下のやはり黒い階段に腰をかけてスタッフ同士が雑談する。そんなシーンを想像すると、オフィスとしてもかなり素敵に仕上がる空間なのではないかと思った。天井から飛び出した配線やダクトをうまく整理し、壁を一部塗り直して、クリーニングを入れる。それだけで、シックな空間が出来上がるだろう。出勤したら、窓から入る明るい光の下で、コーヒーを片手にメールをチェック。仕事が終わったら、多めにつけた間接照明の下でビールを1本だけ仲間と飲む。続きは西麻布のどこかの店で。そんな働き方が、実に様になるような物件ではないかと思った。
EDITOR’S EYE
4階のSOHOは、バルコニーから六本木ヒルズと東京タワーを見ることができる。この2つの組み合わせにモチベーションが上がる人も多いはずだ。居住用としても快適に過ごせる仕様のため、そのまま住むために借りて、西麻布の住人になってしまってもいいかもしれない。