鶯谷町店舗・オフィス|古民家店舗物件
EDIT
>>LOCATION
住所は渋谷区鶯谷町。渋谷と代官山との間に挟まれた、桜丘町、猿楽町、代官山町と隣接するこの物件の場所は、どことなく下町っぽさもありつつ、いつもおしゃれで感度高めの雰囲気が漂う魅力的な場所。
近くには人気飲食店も点在しながらも、渋谷でも、代官山にも持ち合わせない長閑で心地の良い空気感があるこの場所に、建物自体も長閑なオーラを滲ませながら立っていた。
>>SPACE
建物は、意外にも地下1Fを内包した木造2F建て。前入居者はアパレルショップで、室内はほぼその居抜き状態。木造である建物をうまく利用したイイ感じの雰囲気に、年齢的にも大先輩なのにも関わらず、失礼ながら“可愛いな”と声を出してしまった。
外観自体も色っぽさもありながら可愛らしい建物。元々はお蕎麦屋さんからスタートしたというルーツらしく、暖簾をかけるフックの名残りなどからはその年季の程をうかがえる。面積は見た通りコンパクトではあるが、なんといっても魅力的なのは室内に漂うその空気感。2Fは多くの梁や柱を剥き出しにした、この手の物件では理想ともいえる状態で、日当たり十分。当然、気持ちよさと雰囲気の良さを兼ね揃えた物件であることは間違いない。多くを語らずとも、一度立ち入ってもらい、この感じの良さを誰かと共有したいと思わせてくれる室内だった。
>>HOW TO USE
この物件の印象を伝える上で、見学した感想ではなく、“味わった”感想という感覚がある。他にいえるとしたら、“堪能した”だろうか。とにかく、この物件は「見た、良かった。」で終わるのではなく、この空間や建物をどれくらい感じ取れて、どれくらい味わえたかどうかが重要になると思った。
そしてそれは、紹介する上でも“雰囲気”という言葉を何度か利用したが、雰囲気という表現も少し物足りなさを感じる。おそらく、“良い風味”を味わったというような、もっと体内に入ってくるような深みがある感覚が正しいだろう。もちろんオーナーとしては、このままの状態に止まらず、追加で手を加えることも、業種も幅広くウエルカムなので、その風味を殺すことなく、うまく生かしてほしい。そうすれば、築60年になるこの建物はまだまだ多くの人を魅了し、多くの人から愛される空間になるのではないか。
味わい深い風味を楽しみながら、鶯谷町という独特なエリアを堪能する。この建物とそんな付き合い方ができたら素敵だ。
EDITOR’S EYE
元々はアパレルのショップで、記憶する限りその前はメガネ屋だった。前を通るたびに、なかなか理想的な戸建ての使い方と思って記憶していたのを思い出す。
こういう物件をふさわしい人が使う。小さいことかもしれないけど、そういうことが街を作っていくんだろうなと思う。