南麻布オフィス|1F-2Fメゾネットの居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
麻布十番の駅からは歩いて6分ほどの場所。物件までの商店街には小洒落たカフェやレストラン、昔ながらの弁当屋など、様々なジャンルの飲食店があちこちにあって、日々活気を見せている。そんな商店街を抜けた先、活気も少し落ちついて八百屋やハンコ店など下町風情を感じ始めた所にこの建物はある。
>>SPACE
室内は1F-2Fのメゾネット。元々スタンダードだった仕様を前入居が気合を入れて作り込んだらしい。今回はその居抜きでの引き渡しとなる。とはいえ事前に得ていた情報からは、かなり傷んでいる印象を受けていたが、室内に入るとその傷みさえも味になっている妙に居心地の良い空間が待っていた。1Fは白をベースに木目をアクセントとした空間。部屋のつながりを保つために一部の壁はガラス張りで抜け感すら感じる。対する2Fは、中央のホールを中心に7つの個室が用意されているが、こちらもガラスの壁などが所々にあることで連続性を感じつつも、同時に機能性も感じられる使い勝手の良さそうな空間だった。
そして、どちらも共通して言えることは、天井高は約3m、窓が多く柔らかな光が差し込む。ぱっと見、内装に目が向きがちだが、建物に備わる素のポテンシャルがこの居心地の良さの所以だろうと感じた。
>>HOW TO USE
時代や状況の変化によって、近年、働き方や人との付き合い方も大きく変わった。働き方はリモートも1つの選択肢となって、否応無しに理想とも思えたリモートワークを誰もが体感しただろう。ただ、徐々にコロナも落ち着いて来て、顔を合わせる機会が多くなったとき、実際に対面でやり取りする良さを再認識したはずだし、リモート飲みを好んで継続する人も少ないだろう。これは、実際に会うことで、ニュアンス、肌感などのリアルさが心地よく、効率や機能性を超える満足感がそこにあるからだと思う。
そう言った意味では、物件を探すということも同じ。今や欲しい情報はネットですぐに手に入るが、空間の繋がりや匂い、明るさなど現地でしかわからない情報の方が圧倒的に多いはず。この空間は、正直、写真より実物の方が断然良い。薄汚れた感じは写真よりも、よりリアルに感じてしまうかもしれないが、空間の活かし方、働くイメージが広がる空間だった。リアルを大事にする方には一度体験してみてほしい空間だとおもった。
EDITOR’S EYE
実は元々工場として使われていた1F区画。現状、前入居者によって塞がれてしまっているが、裏道へと繋がる大きなシャッター付き開口部がある(写真2枚目)。しかも貸主によって塞いでいる壁は撤去予定とのこと。
この開口部が使えるようになれば、より明るくなるし、利用の幅も格段に広がるだろう。その辺り含め現地に妄想しに来てもらいたい。