世田谷オフィス|元教会の居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
住所は世田谷区上馬1丁目。ちょうど三軒茶屋駅と駒沢大学駅の中間あたりに位置している場所だ。今ではゆったりとした空気が流れる住宅街という印象だが、かつては商店街やエリア一帯のメイン通りとして活気を見せていた。今でもその名残からか個性的な飲食店などもあって、雰囲気は悪くない。そんな落ち着いた住宅街の一角に、長年教会として使われていたこの静かな建物を見つけた。
>>SPACE
竣工から30年間教会として使われてきたB1F-1Fが今回の募集となる。大扉を開けてメインスペース入ると、目に入ってくるのは背中からの光で神々しくも強調された十字架。この空間に至っては十字架に目を奪われ他の魅力が埋もれがちだが、落ち着いて見渡すとあれもこれもと発見がある。寸分の狂いも感じさせないシンメトリーな空間に最大3.7mの天井高。そして住宅街の中ということもあってか、まるで図書館のように物音一つ立てるのも気を使いそうなほど静か。今もなお神聖さを感じるからこそのピリッとした程よい緊張感と、どこからともなく得られる安心感に包まれている空間だった。
そんな1Fだけでも十分お腹いっぱいだが、地下にはキッチンや食堂、元牧師室など個性豊か空間もある。利用しなくなってから2年ほど経っているため全体的なテコ入れは必須だが、天井高の懐や壁を撤去した時の空間のまとまりは、1Fにも負けずと劣らないポテンシャルを感じことができた。B1F、1Fどちらも元教会というストーリーがなくとも十分成り立つポテンシャルは秘めているが、やはりこの空間はそのストーリーと相まってとても輝いている様な気がした。
>>HOW TO USE
躱した立地、建物の状態から、正直、この物件の難易度は高いかもしれない。しかし、建築当初から教会として大切に愛されてきたこの場所は、その懐の深さが故に使うとなれば優しく受け入れてくれるはず。仮に教会の名残を空間から全て取り除いてたとしても、建物頂上には十字架と鐘が鎮座し続ける。ここに教会があった建物のストーリーはなくならず受け継がれていくだろう。
どの様に使うにしろ、長年愛されてきたこの空間を同じ様に大切に使ってもらいたい。そんな思いやりの心が持てれば、空間を通じて自然と会社も良い方向に導かれるのではないか。
一人ひとりがこの空間とメンバーと、自分たちの仕事としっかり向き合う。この躱した立地だからこそ地に足をつけて、実現したい夢や、提供したいサービスを粛々と大事に育んでいけそうだと感じた。
EDITOR’S EYE
近くには評判の良いタコス屋がある。時間は13時を過ぎていたが、店内は満席。なかなか食すことが難しいかもしれないが、近くに入居するのであれば何回でもチャレンジはできそうだ。